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「ジェレミア卿、大好きです!!!」
「一生ついていきますジェレミア卿!!」
…どうしてだろう。今日私が出勤すると、いつになく笑顔の部下たちがそんな言葉を畳み掛けてきた。
オレンジオレンジとさんざん罵ってきたかと思えば…一体なんだというのだ?
わけがわからぬまま、私は今日も仕事についた。
今日も退屈な書類の整理ばかりだ。
いい加減前線に出て戦いたい。
雑用はもうこりごりだ。
ため息をつきながら机に向かっていると、部下がやってきた。
「お疲れ様ですジェレミア卿。」
まただ。一体どうなっているのだ。部下たちがやけに優しい。
「その…今までオレンジとか言ってすみませんでした…」
…あいつらもようやく改心したのだろう。
早くゼロを探したいというのにギルフォード卿に拘束されるわキューエルは命を狙ってくるわでちっともゼロ搜索に従事できなかった。
純血派全体が一丸となってゼロを探さねばならないという時に、みなバラバラだった。
これでようやく仕事に専念できる。
一番謝ってほしい人物の姿が見えなかったことが心残りだが、私はそれでも構わなかった。
(久しぶりに残業するか――――。)
深夜になってもまだジェレミアの姿は執務室の中にあった。
定時で上がればいいものを、ゼロ探しに意欲的になっているらしい。ジェレミアはたったひとり暗い執務室の中でゼロに関する独自で集めた書類と向き合っていた。
(明日これを部下たちに配ろう。きっと協力してくれるはずだ。あいつらならきっと。)
そこには信頼があった。
ジェレミアという男はとても素直な性格で――――
と、そこにあの男がやってきた。
昼間一度も顔を出さなかった、一番ジェレミアを憎んでいる男キューエル・ソレイシィである。
「お疲れ様。しっかし、あいつらに騙されてこんな時間まで残業か?ご苦労なことだな。」
部屋に入ってくるなりキューエルは冷たい口調でそんな言葉を投げかけた。
ふっと顔をあげたジェレミアの顔に宿る驚きと寂しさ。
騙されて、の部分に強い反応が見られる。
「まだ気づかないとは、バカもいいところだな。」
壁にかかったままになっていた3月のカレンダーを乱雑に破きながら、キューエルは今日の日付を指でトントンと指し示す。
4月1日――――その下に印刷された「エイプリルフール」という文字を。
「あ……。」
握っていたペンが机の上に転がった。
「じゃあ…あいつら…」
儚げな表情でキューエルの目を見た。しかし、遊ばれてるんだよ貴様は!という言葉だけが短調に返ってきて。
「――――――。」
口を閉ざし、項垂れた。
白い紙の上にぽつぽつと涙が落ち、それを隠すかのように書きかけていた書類を乱雑に丸めた。
「…なんだ、やめるのか?仕事。」
つかつかと机に歩み寄るキューエル。その顔めがけて丸めた書類を投げつける。
「どうせ貴様も…そうなんだろう!!あいつらのように!!私のこと殺そうと思ってるくせに!!」
「…それは…。」
間。
早く答えろといった顔でジェレミアはキューエルを睨みつける。
「……。」
また間。
ジェレミアの苛立ちは加速する。
「…もういいよ。さっさと帰…
「…私はお前を信じている。」
言いかけた言葉を遮って、ようやくキューエルが口を開いた。
しかし、放たれた言葉に呆れた顔でジェレミアはため息をつく。この後に及んでまだ嘘とは。バレバレの嘘に何の意味がある。
立ち上がった。椅子を戻す。
キューエルには目もくれず部屋を出ていこうとするジェレミアの後ろから、しかし突然キューエルの強い叫びが響き渡った。
「…時計、見ろよ!!!」
壁にかかった丸い時計は長い針も短い針も右側にある。もう嘘の日は終わっていた。
「…待っててやったんだよ、12時まで!!
私はお前を信じているんだ!!
だからこそ…お前の謀反が許せなかった―――――昨日分かっただろう?信じていた者に裏切られるということの辛さが!!」
裏切る。
言われて初めて気がついた。
ゼロなんて知らないと言い張って、自分だけが被害者だと思っていた。
確かにジェレミアはゼロの作戦にハメられ降格処分にあった被害者だが、その下に位置する皆のほうが被害者なのだ。
上司がしっかりしなくてどうする。ようやく気づいた。いや、気づかされた。
「お前が、本気で向き合うなら…ゼロを探すことに心底努めるというなら…私も力になろう。
真摯に向き合う姿があればあいつらだってきっとわかってくれるさ。」
机に戻ったジェレミアは、キューエルと共に朝まで資料と向き合っていた―――――
----------
構成から執筆まで30分の突発エイプリルフール話でした。
ジェレミアいじめるのも好きだけど優しいキューエルも好き。
しかし何だこのヤッツケなストーリーは(^^;)
「一生ついていきますジェレミア卿!!」
…どうしてだろう。今日私が出勤すると、いつになく笑顔の部下たちがそんな言葉を畳み掛けてきた。
オレンジオレンジとさんざん罵ってきたかと思えば…一体なんだというのだ?
わけがわからぬまま、私は今日も仕事についた。
今日も退屈な書類の整理ばかりだ。
いい加減前線に出て戦いたい。
雑用はもうこりごりだ。
ため息をつきながら机に向かっていると、部下がやってきた。
「お疲れ様ですジェレミア卿。」
まただ。一体どうなっているのだ。部下たちがやけに優しい。
「その…今までオレンジとか言ってすみませんでした…」
…あいつらもようやく改心したのだろう。
早くゼロを探したいというのにギルフォード卿に拘束されるわキューエルは命を狙ってくるわでちっともゼロ搜索に従事できなかった。
純血派全体が一丸となってゼロを探さねばならないという時に、みなバラバラだった。
これでようやく仕事に専念できる。
一番謝ってほしい人物の姿が見えなかったことが心残りだが、私はそれでも構わなかった。
(久しぶりに残業するか――――。)
深夜になってもまだジェレミアの姿は執務室の中にあった。
定時で上がればいいものを、ゼロ探しに意欲的になっているらしい。ジェレミアはたったひとり暗い執務室の中でゼロに関する独自で集めた書類と向き合っていた。
(明日これを部下たちに配ろう。きっと協力してくれるはずだ。あいつらならきっと。)
そこには信頼があった。
ジェレミアという男はとても素直な性格で――――
と、そこにあの男がやってきた。
昼間一度も顔を出さなかった、一番ジェレミアを憎んでいる男キューエル・ソレイシィである。
「お疲れ様。しっかし、あいつらに騙されてこんな時間まで残業か?ご苦労なことだな。」
部屋に入ってくるなりキューエルは冷たい口調でそんな言葉を投げかけた。
ふっと顔をあげたジェレミアの顔に宿る驚きと寂しさ。
騙されて、の部分に強い反応が見られる。
「まだ気づかないとは、バカもいいところだな。」
壁にかかったままになっていた3月のカレンダーを乱雑に破きながら、キューエルは今日の日付を指でトントンと指し示す。
4月1日――――その下に印刷された「エイプリルフール」という文字を。
「あ……。」
握っていたペンが机の上に転がった。
「じゃあ…あいつら…」
儚げな表情でキューエルの目を見た。しかし、遊ばれてるんだよ貴様は!という言葉だけが短調に返ってきて。
「――――――。」
口を閉ざし、項垂れた。
白い紙の上にぽつぽつと涙が落ち、それを隠すかのように書きかけていた書類を乱雑に丸めた。
「…なんだ、やめるのか?仕事。」
つかつかと机に歩み寄るキューエル。その顔めがけて丸めた書類を投げつける。
「どうせ貴様も…そうなんだろう!!あいつらのように!!私のこと殺そうと思ってるくせに!!」
「…それは…。」
間。
早く答えろといった顔でジェレミアはキューエルを睨みつける。
「……。」
また間。
ジェレミアの苛立ちは加速する。
「…もういいよ。さっさと帰…
「…私はお前を信じている。」
言いかけた言葉を遮って、ようやくキューエルが口を開いた。
しかし、放たれた言葉に呆れた顔でジェレミアはため息をつく。この後に及んでまだ嘘とは。バレバレの嘘に何の意味がある。
立ち上がった。椅子を戻す。
キューエルには目もくれず部屋を出ていこうとするジェレミアの後ろから、しかし突然キューエルの強い叫びが響き渡った。
「…時計、見ろよ!!!」
壁にかかった丸い時計は長い針も短い針も右側にある。もう嘘の日は終わっていた。
「…待っててやったんだよ、12時まで!!
私はお前を信じているんだ!!
だからこそ…お前の謀反が許せなかった―――――昨日分かっただろう?信じていた者に裏切られるということの辛さが!!」
裏切る。
言われて初めて気がついた。
ゼロなんて知らないと言い張って、自分だけが被害者だと思っていた。
確かにジェレミアはゼロの作戦にハメられ降格処分にあった被害者だが、その下に位置する皆のほうが被害者なのだ。
上司がしっかりしなくてどうする。ようやく気づいた。いや、気づかされた。
「お前が、本気で向き合うなら…ゼロを探すことに心底努めるというなら…私も力になろう。
真摯に向き合う姿があればあいつらだってきっとわかってくれるさ。」
机に戻ったジェレミアは、キューエルと共に朝まで資料と向き合っていた―――――
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構成から執筆まで30分の突発エイプリルフール話でした。
ジェレミアいじめるのも好きだけど優しいキューエルも好き。
しかし何だこのヤッツケなストーリーは(^^;)
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ぐあああああ週刊☆純血派創刊?開催?開始?おめでとうとざいますうううう(遅)
なんか、記念すべき初投稿が、こんな。本来あげる予定のものは間に合いませんでしたすみません・・・。
オールハイル純血派!!!
某庭球アニメ見てるとオレンジの皮ごとかぶりつくのが普通な気がしてきますが実際苦そう
それは、人間の知らない世界。
星々の彼方で、一匹の小さなライオンさんが泣いていました。
「どうしたの?」
そこに、優しい双子のお姉さんがやってきました。
「う…あう…お…オレンジ…」
ライオンさんは、ぐすんと泣きながら言葉にならない言葉を口にしました。
「オレンジ?オレンジが食べたいの?」
<
お姉さんは、どこからともなくオレンジを取り出し、泣いているライオンさんにそっとオレンジをプレゼントしました。
これをあげるから、もう泣かないで。
優しく微笑む銀髪のお姉さんに、ライオンさんはようやく顔を上げました。
「わたしは…オレンジ…おれん…じ…」
「オレンジ、大好きなんでしょう? ほら、お食べ。」
「…。」
――――――大嫌い。
ライオンさんは、お姉さんの優しさにそう答えることができませんでした。
オレンジが、嫌い。だけど、お姉さんは好き。
優しいお姉さんがくれたオレンジだから、
大嫌いだけど……
「…ありがとう。」
ちいさな果実を受け取ると、ライオンさんは小さく笑ってオレンジを口にした。
--------
何だこれ(・ω・)
…後付けの物語いらなくね??
星々の彼方で、一匹の小さなライオンさんが泣いていました。
「どうしたの?」
そこに、優しい双子のお姉さんがやってきました。
「う…あう…お…オレンジ…」
ライオンさんは、ぐすんと泣きながら言葉にならない言葉を口にしました。
「オレンジ?オレンジが食べたいの?」
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お姉さんは、どこからともなくオレンジを取り出し、泣いているライオンさんにそっとオレンジをプレゼントしました。
これをあげるから、もう泣かないで。
優しく微笑む銀髪のお姉さんに、ライオンさんはようやく顔を上げました。
「わたしは…オレンジ…おれん…じ…」
「オレンジ、大好きなんでしょう? ほら、お食べ。」
「…。」
――――――大嫌い。
ライオンさんは、お姉さんの優しさにそう答えることができませんでした。
オレンジが、嫌い。だけど、お姉さんは好き。
優しいお姉さんがくれたオレンジだから、
大嫌いだけど……
「…ありがとう。」
ちいさな果実を受け取ると、ライオンさんは小さく笑ってオレンジを口にした。
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何だこれ(・ω・)
…後付けの物語いらなくね??
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